マラソン完走を妨げる練習の誤解5選と正しいトレーニング法
「毎日走っているのにタイムが伸びない」「追い込んでいるのに本番でバテてしまう」——そんな悩みを抱えるランナーは少なくありません。実は、頑張っているのに結果が出ない最大の原因は「練習の誤解」にあることがほとんどです。
この記事では、初〜中級者ランナーが陥りがちな5つの誤解と、正しいトレーニングの考え方を具体的に解説します。読み終えた後には、「今日から何を変えれば良いか」が明確になります。
誤解① 「ハードにやればやるほど強くなる」
多くのランナーが信じている「練習はきつければきついほど効果がある」という考え方。これは半分正しく、半分間違いです。
なぜ「追い込みすぎ」が逆効果なのか
練習でダメージを受けた筋肉や体は、休養中に回復し、より強くなります。この「超回復」のサイクルを無視して毎回全力で練習を続けると、体は回復が追いつかずパフォーマンスが下がっていきます。
大切なのは「ハードにやること」ではなく、練習に強弱をつけることです。週に3回ポイント練習(インターバル走・ペース走・距離走)を行うなら、残りの日は「体を回復させながら動かす」ジョギングにすることで、初めて練習の効果が出ます。
- 強い日(ポイント練習):週2〜3回まで
- 弱い日(ジョギング):軽いペースで体を動かし回復を促す
- 休養日:完全休養または水泳・ウォーキングなど負荷の低い運動
誤解② 「毎日走れば速くなる」
「休む=サボり」と感じて、毎日走り続けているランナーも多いですが、これも大きな誤解です。
休養日は「練習の一部」である
フルマラソンを目指すランナーには、ある程度の練習頻度(週5〜6日)は必要です。しかし、7日走るか6日走るかは人それぞれ体の特性によって異なります。
走らない日は完全に動かないのではなく、水泳やバイクなどランニングほど体へのインパクトが少ない運動を選ぶのがベターです。これにより、心肺機能を維持しながら足への負担を軽減できます。
毎日走ることよりも、「その人に合った適切な頻度と内容で練習を続けること」の方が、長期的に大きな結果をもたらします。
誤解③ 「遅く走っても意味がない」
「ゆっくり走るのは時間の無駄」と考えて、毎回同じペースで走っていませんか?これもよくある誤解です。
ジョギングには明確な目的がある
週6日走るランナーがポイント練習を3回行う場合、残り3回はジョギングになります。このジョギングを「なんとなくゆっくり走るだけ」にするのか、「疲労を抜きながら体を動かす」「フォームを意識して走る」など目的を持って行うかで、効果は大きく変わります。
ゆっくり走ることには以下の効果があります:
- 有酸素能力の底上げ
- ポイント練習からの回復促進
- フォームや体の感覚を確認する機会
「遅く走ること」も「速く走ること」も、目的があれば両方に意味があります。「なぜ今日この練習をするのか」を意識するだけで、同じ練習でも効果が変わります。
誤解④ 「レース直前に追い込んで調整する」
レースが近づくにつれて「まだ走れていない」「もっと練習しなきゃ」と焦り、直前に追い込み練習をしてしまう——これはマラソンランナーが犯す最大のミスの一つです。
テーパリング(調整期)の正しい考え方
追い込み練習は、遅くともレース10日前、理想は2週間前までに終わらせる必要があります。1週間前に激しい練習をしても、体の疲労がレース当日までに抜けきらず、本来の力を発揮できなくなります。
レース1週間前〜当日の正しい調整方法:
- 練習の量を落とす:走る距離を普段の60〜70%程度に減らす
- 強度は維持する:スピードを完全になくさず、短い距離でキレを保つ
- 睡眠を最優先にする:アスリートは8時間以上の睡眠がパフォーマンス向上に直結する
- 普段と変わったことをしない:新しいシューズや食事など、レース当日に初体験するのは禁物
「体が万全の状態でスタートラインに立つこと」がフルマラソン最大の戦略です。42kmは長丁場。足が痛い・体調が優れない状態でスタートすると、確実にタイムに影響します。
誤解⑤ 「インターバル走さえやれば速くなる」
「速くなりたいならインターバル走」という情報を見て、毎週何度もインターバル走を繰り返している方もいます。しかしこれも、使い方を間違えると逆効果になります。
インターバル走の正しい目的と頻度
インターバル走の目的は、レースペース以上のスピードで、レース距離より短い距離を分割して走ることで、体をレースペースに慣らすことです。例えば3000mを目標にするなら、1000m×3本が基本の形です。
よくある間違いのパターン:
- 頻度が多すぎる:週に何度もやると体が回復しきれない
- ペースが遅すぎる:レースペースに達していなければ、インターバル走の意味がない
- ペースが速すぎる:後半バテバテで「形にならない」練習になってしまう
インターバル走はあくまで練習メニューの一つ。ペース走(中間走)・距離走(LSD)・インターバル走をバランスよく組み合わせることが、フルマラソンで結果を出すための正しいアプローチです。
週3回ポイント練習を行う場合の理想的な割合:
- インターバル走:週1〜1.5回
- ペース走:週0.5回
- 距離走(LSD):週1回
まとめ:「正しい方向」への努力が最大の近道
今回紹介した5つの誤解は、いずれも「頑張っているのに結果が出ない」ランナーに共通するパターンです。大切なのは練習量や強度よりも「正しい方向に努力しているか」です。
間違った方向にいくら努力を続けても、結果はついてきません。まず自分の現在の練習内容を振り返り、以下を確認してみてください:
- 練習に「強い日」と「弱い日」の強弱はついているか
- レース直前に追い込み練習をしていないか
- ゆっくり走る日にも「目的」を持っているか
- インターバル走はレースペースで「形になっているか」
- 睡眠・休養を練習の一部として捉えているか
一つでも「やっていなかった」があれば、今日からすぐに取り組む価値があります。短期目標(次のレースでサブ5を達成する、など)を決めて、逆算して練習を組み立てることで、ランニングはより楽しく、より結果が出るものになります。
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