梅雨に伸び悩む中高生ランナーのNG習慣5選+即効室内スピードドリル5選【保存版】
「梅雨で外練ができない」「雨の日は何もできない……」と感じている中高生の部活ランナーは多いはずです。でも実は、その「雨の日の過ごし方」こそが、秋の大会でライバルに差をつける最大のチャンスです。
この記事では次の2点をお伝えします。
- 梅雨の練習でやりがちなNG習慣5選(やめるだけで差がつく)
- 体育館・室内でできる即効スピードドリル5選(今日から実践できる)
梅雨の練習でやってしまいがちなNG習慣5選
まず「やってはいけないこと」を確認しましょう。次の5つのNGを犯しているランナーは、梅雨が明けても思ったようにタイムが上がりません。
NG①:雨だからと完全休養にしてしまう
「今日は雨だから休もう」は最も危険な思考です。ライバルが室内で着実にドリルを積み上げているとき、あなたは何もしていない。1〜2日の差でも梅雨シーズン全体では大きな差になります。
NG②:体育館でただ走り回る(無目的ジョグ)
「とりあえず体育館を走ろう」という練習では、スピードの質は上がりません。森田コーチが繰り返し伝えているのは、「JOGは毎回目的を明確にしてやること」。「今日の練習で何を身につけたいか」を決めてから動くことが成長への近道です。
NG③:雨の日に距離・本数を増やして走り込む
「走れば速くなる」という思い込みは、中高生が陥りがちな最大の誤解です。成長期に走り込みすぎると高校・大学で伸び悩む選手が非常に多い。中学生が最優先すべきなのは距離ではなく、スピードが出るフォームの土台作りです。
NG④:動的ストレッチなしでいきなり練習を始める
雨の日は気温が低く、筋肉が温まりにくい状態です。この状態でドリルや補強を始めると怪我リスクが急上昇します。特に股関節・肩甲骨・胸椎まわりを動かす動的ストレッチを最低10分行ってから練習に入りましょう。
NG⑤:雨が上がったときに一気に追い込みすぎる
梅雨の晴れ間に「ここぞ」と無計画に追い込む選手は疲労が蓄積し怪我につながります。吉澤トレーナーが強調するのは「段階的に練習強度を上げること」。晴れた日は「週間計画のどこに位置するか」を確認してから負荷を決めましょう。
中高生こそ「走る量」より「スピードの質」が大事な理由
「たくさん走ることが強さへの近道」は多くの中高生が陥る誤解です。
中高生は距離を踏むよりスピードの出る走りを身につけることが大事です。動的ストレッチ・ドリル・補強といった基礎をきちんと身につけると、少ない練習量でもスピードが出るようになります。中学時代に走り込ませすぎると高校・大学で伸び悩む選手が本当に多い。だからこそ雨の日の室内練習を大切にしてほしいのです。
— 森田 歩希コーチ(箱根駅伝2区区間賞・3区当時区間新記録 / Sterling Squad)
また吉澤トレーナーは「股関節の可動域を高めることが怪我予防の根本対策」と話します。膝やふくらはぎの怪我の多くは、股関節が動かないために代わりに膝下を使いすぎることで発生します。雨の日のドリルで股関節をしっかり動かす習慣をつけることは、怪我予防にも直結します。
雨の日でも確実に速くなる!室内スピードドリル5選
体育館の端から端(20m程度)か、廊下があれば廊下を使って実施します。雨音を聞きながら黙々とこなした選手だけが、秋の大会で結果を出します。
①走りを変える股関節ドリル3種(ハイニー・Aスキップ・Bスキップ)
フォームの土台となる股関節の可動域を広げるドリルです。Sterling Squadの練習会でも毎回必ず取り入れています。
- ハイニー:股関節をしっかり引き上げ、つま先の真下に素早く引き戻す。「引き上げ→接地」のリズムをリラックスして繰り返す。20m×5本。
- Aスキップ:ひざを高く引き上げながらリズムよくスキップ。腕振りとひざの引き上げを同期させる。20m×5本。
- Bスキップ:Aスキップからひざを前方に蹴り出して接地。体の真下に足が落ちることを意識する。20m×5本。
コーチポイント:「速くやろう」としない。ゆっくりでも正しい動きを身につけることが最優先です。
②接地時間を短くするクイックステップ&バウンディング
場所を取らずどこでもできる接地改善ドリルです。接地時間の短縮とフォームの安定を同時に身につけます。
- クイックステップ(その場足踏み):できるだけ速く足踏みしながら接地時間を短くする。地面に足が「置かれる」のではなく「弾む」感覚を掴む。30秒×3セット。
- バウンディング:大きなストライドで前方に跳び続ける。股関節と臀部で地面を蹴る感覚を意識する。20m×3本。
コーチポイント:クイックステップは腕振りも速くリズムを合わせること。体幹がブレないよう意識する。
③フォーム維持能力を高めるプランクシリーズ(体幹補強)
体幹が弱いとレース後半でフォームが崩れ、失速の原因になります。吉澤トレーナーが推奨する「ランニングに適した体幹トレーニング」を実施しましょう。
- フロントプランク:肘とつま先で体を支え、頭から踵まで一直線を保つ。お尻が上がったり下がったりしないよう注意。30秒×3セット。
- サイドプランク:片肘と足の側面で体を支える。腰が下がらないよう体幹をしっかり使う。左右各20秒×3セット。
- バードドッグ:四つん這いから右腕・左脚を同時に伸ばし3秒キープ。対角の腕と脚をゆっくりコントロールして動かす。左右各10回×2セット。
コーチポイント:ベンチプレスなど上半身に過度な筋肉をつけるトレーニングはランナーにNG。ランニング動作に特化した体幹メニューを選ぶことが重要です。
④推進力を上げる腕振り改善ドリル(壁押し)
腕振りはランニングのリズムと推進力に直結します。壁1枚あればどこでもできるドリルです。
- 壁押し腕振りドリル:壁に両手をつき前傾姿勢を作る。その状態で腕をリズムよく振る。肘の角度は約90度を維持。30秒×3セット。
- 鏡の前での腕振り確認:立ちながら腕振りだけを行う。肩の力を抜いて前後に大きく振る。小指側を後ろに引くイメージで。30秒×3セット。
コーチポイント:腕が左右にブレているランナーは体幹もブレています。腕振りと体幹の安定はセットで改善しましょう。
⑤爆発力を鍛えるウォールドリル(坂ダッシュの室内代替)
雨の日に坂ダッシュができないときの最強代替ドリルです。壁1枚あればどこでもできます。Sterling Squadではこれを週2回続けることで、選手の加速力が目に見えて変わります。
- ウォールドリル(片脚交互):壁に両手をつき45度に前傾。左右の足を交互に素早く入れ替える。スプリントの初動に近い動きを室内で再現。20秒×3セット。
- 片脚引き上げホールド:同じ姿勢から片足を素早く引き上げ、真下に踏み込む動作を繰り返す。接地時間をできるだけ短くすることを意識。10回×3セット(左右)。
コーチポイント:前傾角度が浅いと効果半減。壁とのなす角が約45度になるよう意識しましょう。これを8週間続けると、晴れた日の坂ダッシュで力強さが劇的に増します。
梅雨シーズン実践ウィークリールーティン【保存版】
「何をどのくらいやればいいか」を曜日別に整理しました。秋大会に向けて8〜10週間続けることを目標にしてください。
| 曜日 | メニュー | 目的 |
|---|---|---|
| 月 | 動的ストレッチ10分+ドリル①② | 股関節と接地の基礎固め |
| 火 | 体幹ドリル③(20分)+軽ジョグ(晴れなら) | 体幹強化・フォーム維持能力 |
| 水 | 腕振りドリル④+ウォールドリル⑤(各20分) | 推進力と爆発力の強化 |
| 木 | 軽めジョグ or アクティブレスト | 疲労回復・翌日に備える |
| 金 | ①〜⑤の総合ルーティン(45分) | 週の総まとめ・動きの定着 |
| 土 | 晴れ→外ジョグ(余裕ペース)/ 雨→完全休養 | 有酸素ベース or 疲労抜き |
| 日 | 完全休養(ストレッチのみ) | 全身の疲労回復 |
このルーティンを8週間続けると、梅雨明けに外で走ったとき「あれ、なぜか速くなってる」と感じるはずです。
まとめ:梅雨こそスピードの土台を作る最大のチャンス
梅雨でスピードが伸びない中高生ランナーには、5つのNG習慣が共通しています。
- NG①:雨だからと完全休養
- NG②:目的なき体育館ジョグ
- NG③:成長期の走り込みすぎ
- NG④:アップなしの練習開始
- NG⑤:晴れた日の無計画な追い込み
これらを改善し、今日紹介した5つのドリルを続けることで、秋大会に向けて確実に土台が積み上がります。「ライバルが休んでいる梅雨こそが、差をつける最大のチャンス」——この言葉を胸に、今日から室内練習を始めましょう。
Sterling Squadで専門的に相談する
「ドリルのやり方が合っているか不安」「フォームを個別に見てほしい」という中高生・保護者の方は、ぜひSterling Squadの体験会へ。箱根駅伝2区区間賞コーチが直接指導します。
この記事を書いた人:森田 歩希(もりた ほまれ)
箱根駅伝2区区間賞・3区当時区間新記録・総合優勝2回・4年時主将(青山学院大学)。現在はSterling Squadプロボノランニングコーチ・パートナーシップ担当として、長野・東京・埼玉を中心に中高生〜市民ランナーを指導。「正しい努力の方向を知ることで、誰でも速くなれる」をモットーに活動中。

