夏レース当日のNG行動5選|緊張を味方にする動的ストレッチと暑さ対策
「練習では出せていたタイムが、本番だと崩れる」——夏のレースでそう感じたことはありませんか。原因は実力不足ではなく、当日のちょっとした行動にあることがほとんどです。暑さと緊張が重なる夏は、いつも通りに過ごせているつもりでも、無意識のNG行動が積み重なって実力を削っていきます。
結論:夏レース当日は「日陰の確保・電解質をこまめに補給・力まない入り」の3点を守り、緊張は消さずに味方にすること。これだけで暑さと本番のプレッシャーに負けず、練習どおりの走りができます。
この記事を読むと、①多くのランナーがやりがちな当日のNG行動5つ、②緊張をパフォーマンスに変える考え方、③本番で体が動く動的ストレッチと当日の流れ——がわかります。最後によくある質問もまとめたので、当日の朝にそのまま見返せる保存版としてご活用ください。
夏レース当日にやってはいけないNG行動5選
1. 待機列で直射日光を浴び続ける
日陰を確保せず並び続けると、走り出す前から体温が上がり、序盤でオーバーヒートします。森田コーチも「夏は暑い場所にいすぎないこと」を当日の鉄則に挙げています。帽子・日傘・タオルで日陰を作り、こまめに木陰へ移動しましょう。スタート前の体温を上げないことが、後半のペース維持に直結します。
2. 水だけを一気に大量摂取する
喉が渇いたからと水だけをがぶ飲みすると、体内の電解質が薄まり、かえって体調を崩します。Sterling Squadの吉澤トレーナーは「汗で失われるのは水分だけでなく電解質。水だけの補給はNG」と指摘します。スポーツドリンクなど電解質を含む飲料を、200mlずつこまめに——これが夏レースの正解です。
3. ウォームアップを省略・簡略化する
「暑いからアップは軽めでいい」は逆効果です。体が温まらないまま走り出すと、力みや故障のリスクが上がります。暑い日ほど量ではなく質——動的ストレッチで関節をしっかり動かし、短い流しで神経系を目覚めさせるのが正解です。決めたルーティンを崩さず淡々と実践しましょう。
4. 緊張を無理に消そうとする
緊張を抑え込もうとすると呼吸が浅くなり、本来の動きが出せません。森田コーチは「緊張は悪いものではない。適度な緊張はむしろパフォーマンスを上げる」と言い切ります。ドキドキするのは真剣に取り組んでいる証拠。消そうとせず「集中モードに入った合図」と捉え直すだけで、体はスムーズに動きます。
5. 当日に普段と違うことを試す
新しいシューズ、初めてのジェル、いつもより多い朝食——当日の「初めて」はコンディションを乱す最大の原因です。森田コーチのレース当日の原則も「普段と変わったことをしない」。前日までに試したものだけを使い、朝はトイレを済ませ、ご飯をしっかり食べて、いつも通りを徹底しましょう。
緊張を味方に変える3つの考え方
NG行動を避けたうえで、メンタルを整えると走りは一段安定します。森田コーチが箱根駅伝2区区間賞を獲ったレースでも実践していた、緊張との付き合い方です。
- 緊張は「消す」ではなく「利用する」——適度な緊張は集中力とキレを高める味方だと捉える。
- 最初のきつさはメンタル——序盤に感じる「もう無理」は体の限界ではなく気持ちの反応。乗り越えると一度ラクになる、と知っておく。
- ライバルより自分——相手の調子はわからない。他人ではなく「自分のできるレース」に集中する。
本番で体が動く動的ストレッチ3部位
緊張していても実力を出し切るために、吉澤トレーナーが「走行中に特に使う」と挙げる3部位を動的ストレッチで目覚めさせましょう。静的ストレッチ(じっと伸ばす)はレース後に回し、当日は動かして温めるのが鉄則です。
- 肩甲骨まわり:腕を大きく回し、腕振りの可動域を広げる
- 股関節:前後・左右に大きく動かす(脚の伸びと故障予防に直結)
- 胸椎(背骨の中央):上体をひねって回旋させ、腕振りと呼吸をスムーズにする
当日は下の流れで準備すると、緊張していても体が自然にほぐれます。暑い日は日陰で行い、水分補給を挟むのを忘れずに。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 90分前 | ストレッチポールなどで体をほぐす → 肩甲骨・股関節・胸椎の動的ストレッチ |
| 60分前 | 軽めのジョグ(4km前後)で体温を上げる。合間に電解質を200mlずつ補給 |
| 30分前 | 流しを数本入れてキレを出す → 日陰で待機。ここでアップは終了 |
ポイントは「30分前にはアップを終えて日陰で待つ」こと。夏は直前まで動くと待機中に体温が上がりすぎます。スタート後も定期的に体を動かし、力まず入るのが後半の余力を残すコツです。
Sterling Squadで専門的に相談する
「自分のレースだと何が正解かわからない」——そんな方は、箱根駅伝2区区間賞の森田コーチと五輪担当トレーナーの吉澤が、あなたの走りに合わせたアップ・ペース戦略を直接アドバイスします。まずは体験会で正しい準備の方向性を掴んでください。
よくある質問(夏レース当日)
Q. 夏レースの当日、水分はどれくらい飲めばいい?
一気飲みは避け、電解質を含むスポーツドリンクを200mlずつこまめに補給します。水だけだと電解質が薄まり、逆に体調を崩す原因になります。
Q. 暑い日はウォームアップを短くしたほうがいい?
短くするのではなく「30分前に終える」意識が正解です。動的ストレッチと短い流しで関節と神経系を起こし、直前は日陰で待機。体温の上げすぎを防ぎます。
Q. スタート前の緊張が抑えられません。どうすれば?
抑えようとしないことが答えです。適度な緊張は集中力を高めます。「集中モードに入った合図」と捉え、深い呼吸をしながらいつものルーティンを淡々と進めましょう。
Q. 前日までに何を準備しておけばいい?
シューズ・補給食・ウェアはすべて練習で試したものに固定します。当日に「初めて」を持ち込まないことが、実力を出し切る一番の近道です。
まとめ:万全の状態でスタートラインに立とう
森田コーチが初マラソンで最も大切にしていることは「体が万全の状態でスタートラインに立つこと」。夏レースはNG行動を避け、緊張を味方にし、動的ストレッチで体を起こすだけで、練習どおりの走りに近づきます。今日の準備が、ゴールでの笑顔をつくります。応援しています。
監修:Sterling Squad/森田歩希コーチ(青山学院大学・箱根駅伝2区区間賞、3区当時区間新記録、総合優勝2回、4年時主将)と五輪担当トレーナー吉澤和宏が運営する専門ランニングクラブ。長野・東京・埼玉を中心に、理論と実践に基づいた指導を行っています。

