夏の週末ロングラン30km失速はガス欠が原因?電解質補給とペース配分3つのコツ【保存版】

「30km手前までは順調だったのに、そこから急に足が動かなくなった」。夏の週末ロングランでこの失速を経験した方は、原因のほとんどが電解質不足と距離への慣れ不足の2つに集約されます。

結論:夏のロングランで30km以降に失速する主因は「電解質不足によるバテ」と「体が30kmという距離に慣れていないガス欠」です。気温別の補給とペース配分を整えれば防げます。

夏の週末ロングランで30km以降に失速する2つの原因

①電解質不足による「バテ」

汗をかくと水分と一緒に電解質(ナトリウムなど)も流れ出ます。水だけを補給すると体内のバランスが崩れ、後半のパフォーマンスが落ちやすくなります。気温が上がるほど汗で失うナトリウム量が増えるため、水分補給は「量」だけでなく「質」を気温に合わせて調整する必要があります。

水分補給でやりがちな間違いは、水だけで十分だと思ってしまうことです。運動で汗をかくと電解質も失われるため、スポーツドリンクなど電解質を含む水分補給が重要になります。
— 吉澤和宏トレーナー(Sterling Squad)

気温の目安 給水間隔 1回の補給量 補給の質
25℃未満 20分ごと 150〜200ml 水中心でOK
25〜30℃ 15分ごと 150〜200ml スポーツドリンク中心
30℃以上 10〜15分ごと 100〜150ml(少量頻回) 経口補水液・塩タブレット併用

②30kmという距離に体が慣れていない「ガス欠」

どんなに練習していても失速することはありますが、その確率を減らす方法は明確です。森田コーチは、後半に失速する人にまず「エネルギーの定期補給ができているか」「30km以上を走り込む練習ができているか」を確認するといいます。目安はレース6〜8週前から月1〜2回、30km前後のロング走を練習に組み込むことです。

失速を防ぐペース配分3つのコツ

①ロング走はレースペースより1kmあたり30〜40秒遅く走る

ロング走の目的は「距離に体を慣らすこと」であり、追い込む練習ではありません。設定ペースはレースペースより1kmあたり30〜40秒遅いくらいで十分。夏場は気温に応じてさらに落として構いません。速く入りすぎることが、30km以降の失速につながる一番の原因です。

②「30km+2km」を走り切る練習を月1回入れる

30kmの壁対策として特に効果的なのが、「30km走った後に2.195kmをレースペースで走る」練習です。距離走の最後に少しだけ負荷をかけることで、本番の30km以降に脚が動く感覚を体に覚えさせられます。週末の時間が取れるときに月1回取り入れてみましょう。

③前半は力まず入り、後半に体力を温存する

ロングランのペース戦略で共通する基本原則は「力まずに走ること」です。体が動いているときに無理にセーブする必要はありませんが、前半から突っ込んで力んで走ると、その負荷は必ず30km以降に跳ね返ってきます。

箱根駅伝2区・3区で区間賞を獲ったときの共通パターンは「前半力まずに早く入り、後半10kmでライバルとの差をつける」ことでした。体をフラットな状態で温存し、勝負どころで動く感覚は週末のロングランでも同じです。
— 森田歩希コーチ(Sterling Squad)

よくある質問

Q. ロングラン中の水分補給はどのくらいの量が目安?

気温25℃未満なら20分ごとに150〜200ml、気温30℃を超える場合は10〜15分ごとに100〜150mlの少量頻回が目安です。一度に大量に飲むと胃に負担がかかるため、こまめに分けて摂りましょう。

Q. 電解質はスポーツドリンク以外でも摂れる?

経口補水液や塩タブレット、梅干しなどでも補給できます。長時間のロングランでは携行できる塩タブレットを1〜2個ポケットに入れておくと安心です。

Q. 30km以降に足が全く動かなくなるのはなぜ?

エネルギー(糖質)の枯渇と電解質不足が同時に起こる、いわゆる「ガス欠」状態です。30km手前からの定期的な補給と、事前に30kmという距離に体を慣らしておくことの両方が予防になります。

Q. ロングラン前日の食事で気をつけることは?

内臓に負担をかけない消化のいい食事を選び、糖質を中心にしっかり摂っておきましょう。当日の朝も普段と変わったことをせず、水分は200mlずつこまめに補給するのが基本です。

Sterling Squadで専門的に相談する

補給プランやペース配分は体質・目標タイムによって最適解が変わります。自分に合った練習計画をプロと一緒に組み立てたい方は、体験会でご相談ください。

30km以降の失速は、気合いや根性の問題ではなく、補給とペース配分という「仕組み」で防げるものです。今週末のロングランから、気温に合わせた補給とレースペース+30〜40秒のペース配分をひとつずつ試してみてください。

この記事の監修:森田歩希(青山学院大学卒・箱根駅伝2区区間賞/3区区間新記録・総合優勝2回・4年時主将)/吉澤和宏(五輪担当フィジカルコーチ)。Sterling Squadでは元選手×プロフィジカルトレーナーがタッグを組み、専門的なランニング指導を行っています。