30km走で失速しない水分補給とペース配分|前日からの準備3ステップ
「週末に30km走を控えているけれど、後半で足が止まらないか不安」——週末ロングランに挑む市民ランナーの方から、本当によく聞く声です。結論から言うと、30km走の後半失速は前日〜当日の準備と、走行中の補給・ペース配分でその確率を大きく下げられます。この記事では、青学OB・箱根駅伝2区区間賞ランナーの森田歩希が直接指導するSterling Squad(長野・東京・埼玉)の視点で、「いつ・何を・どれだけ」やればいいかを前日からの準備3ステップと早見表で具体的に解説します。読み終える頃には、当日の朝から走行中までの動きが一本の線でつながっているはずです。
なぜ30km以降で失速するのか?主な2つの原因
30kmの壁の正体は、多くの場合「エネルギー切れ(ガス欠)」と「水分・電解質不足によるフォームの崩れ」の2つです。どんなに練習を積んでも失速をゼロにはできませんが、確率は準備で確実に下げられます。森田コーチはこう指摘します。
後半失速する人は「エネルギーの定期補給ができているか」「練習で30km以上を週1回走れているか」をまず確認してほしい。30kmという距離に体を慣らしておくことが重要です。
— 森田 歩希コーチ(青学OB・箱根駅伝2区区間賞/Sterling Squad)
つまり、失速対策は「本番当日の工夫」だけでなく「日頃の練習の組み立て」までがワンセット。まずは当日〜前日でできることから見ていきましょう。
30km走を乗り切る 前日からの準備3ステップ
STEP1:前日はエネルギーと水分を「貯金」する
- 前日夜は糖質(ごはん・パスタ・餅など)を主役に、消化のよい食事でグリコーゲンを満たす
- 前日から水分をこまめに摂り、脱水気味でスタートしない
- 睡眠を最優先に。疲労回復の最も効果的な手段は睡眠です
ポイントは「前夜にドカ食いする」ことではなく、数日前からいつもより少し糖質を多めに、水分をこまめにという積み上げ。前日だけ頑張っても胃腸に負担がかかるだけです。
STEP2:当日朝は「いつも通り」を徹底する
当日の鉄則は、普段と変わったことをしないこと。トイレを済ませ、スタート3時間前までにしっかり食事を摂り、その後は水分を200mlずつこまめに補給します。ここで見落としがちなのが電解質です。
水だけでは不十分で、電解質も補給する必要があります。汗をかくと電解質も失われるため、水だけ飲むと体内のバランスが乱れてしまいます。
— 吉澤 和宏トレーナー(五輪帯同フィジカルトレーナー/Sterling Squad)
「初めて試すジェル」「新しいシューズ」を本番の30km走でいきなり使うのはNG。試すなら普段の練習で、が鉄則です。
STEP3:走行中は「前半力まず・定期補給」でペースを守る
- 前半は力まず、狙いのペースより気持ち控えめに入る(突っ込みすぎが後半失速の最大要因)
- 喉が渇く前に給水する。5kmごとを目安に電解質入りの水分を口に含む
- エネルギーは「切れてから」では遅い。30〜45分ごとにジェル等で定期補給して貯金が尽きる前に足す
- 腕振り・姿勢が崩れてきたら、ペースより先にフォームを立て直す
森田コーチが箱根2区・3区の区間賞で共通して実践した勝ちパターンは「前半力まずに入り、体をフラットな状態で後半に温存する」こと。30km走でもこの考え方は同じで、前半の“余裕”が後半の失速を防ぎます。
水分・補給の「いつ・何を・どれだけ」早見表
当日の動きを1枚に整理しました。スクショして当日の朝に見返すのがおすすめです。
| タイミング | 何を | どれだけ |
|---|---|---|
| スタート3時間前 | 消化のよい糖質中心の食事(ごはん・餅・バナナ等) | 普段の朝食量を基準に |
| スタート前〜直前 | 水+電解質(スポーツドリンク) | 200mlずつこまめに |
| 走行中(5kmごと目安) | 電解質入りの水分 | 喉が渇く前に一口〜150ml |
| 走行中(30〜45分ごと) | エネルギージェル等の糖質 | 切れる前に定期補給 |
| 30km走の直後 | 糖質+タンパク質 | できるだけ早めに補給 |
※気温・発汗量で必要量は変わります。暑い日は電解質の比重を高め、量も増やしてください。
30km走を成功させるペース配分の考え方
ペース配分の基本は「前半はやや抑え、後半に余力を残す」イーブン〜ネガティブスプリット。目安として、
- 〜10km:狙いのペースより1kmあたり5〜10秒控えめ。体を温めながら“力まない”を最優先
- 10〜25km:狙いのペースに乗せて淡々と刻む(レースの中間走をイメージ)
- 25〜30km:余力があればペースを上げる。ここで上げられる配分こそ本番の自信になる
「体が動いているのに無理にセーブする」のは逆効果ですが、それは“力まず走れているとき”に限った話。息が上がり力み始めたら、それは突っ込みすぎのサインです。
実は「練習の中身」で失速確率は下がる|森田コーチの30km攻略法
当日の補給・ペースと同じくらい重要なのが、そこに至るまでの練習の組み立てです。森田コーチが勧めるのは次の2点。
- 週1回、30km以上のロング走で「距離に体を慣らす」。フルマラソンなら30〜40kmが目安(ペースはレースペースより1kmあたり30〜40秒遅くて十分)
- 仕上げに「30km走った後に2.195kmをレースペースで走る」練習を入れると、後半の“脚が終わった状態”での粘りが養える
ただし、ロング走だけをやってもレースペースでは走れません。インターバルやペース走と強弱を持って組み合わせることが、失速しない脚をつくる近道です。「ハードにやればやるほど強くなる」は誤解で、正しいのは練習の組み立て(強弱)。ここが自己流で崩れると、頑張っているのに報われない、という状態に陥りがちです。
Sterling Squadで専門的に相談する
「30km走のペース設定が合っているか」「自分に必要な練習の強弱がわからない」——そんな方は、青学OB・箱根駅伝2区区間賞ランナーの森田歩希が直接指導するSterling Squad(長野・東京・埼玉)の体験会へ。あなたの目標から逆算した練習計画を一緒に組み立てます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 30km走の途中で給水は何回すればいい?
目安は5kmごと。喉が渇いてからでは遅いので、渇く前に少量ずつ、電解質入りの水分を摂りましょう。
Q2. ジェル(補給食)は何個くらい必要?
30〜45分ごとが目安なので、30km走なら発汗・ペースにもよりますが2〜4個が一般的。エネルギーは切れてからでは回復に時間がかかるため、切れる前の定期補給が鉄則です。
Q3. 後半にどうしても失速してしまいます。
まず「前半突っ込んでいないか」「定期補給ができているか」「週1回30km以上を走れているか」を確認してください。最初の“きつい”はメンタルであることも多く、そこを越えると一旦楽になります。ただし練習量や組み立て自体がズレていると当日だけでは解決しないため、一度プロに方向性を見てもらうのが近道です。
まとめ|準備で「壁」は薄くできる
30km走の後半失速は、前日の貯金・当日朝のいつも通り・走行中の前半力まず&定期補給という3ステップで確率を大きく下げられます。そして当日の工夫を活かすのは、日頃の「強弱ある練習の組み立て」。まず一歩、今週末の30km走で今日の早見表を試してみてください。応援しています。
この記事の指導・監修
Sterling Squad(スターリング・スクワッド)|長野・東京・埼玉を拠点とするランニングクラブ。指導は青学OB(青山学院大学出身)・箱根駅伝2区区間賞ランナーの森田歩希が直接担当し、五輪帯同フィジカルトレーナーの吉澤和宏が監修。「元プロランナー×プロフィジカルトレーナー」の掛け合わせで、目標から逆算した“正しい努力の方向づけ”を行います。

