🛌🏃‍♂️ランナーにとっての睡眠完全ガイド|速くなりたい市民ランナーのための科学的リカバリー戦略

「走る・食べる」だけじゃ足りない。これからは「眠る」が主役の時代

ランナーの世界では長い間、

  • どれくらい走るか(走行距離・インターバルの強度)
  • 何をどれだけ食べるか(カーボローディング・補給)

の2つが“強くなるための柱”だと考えられてきました。

でも、最新のスポーツ科学ではここに**第3の柱「睡眠」**が加わっています。

✅ 睡眠は「休んでいる時間」ではなく
✅ 体と脳が“強くなっている時間”

と考えられるようになっているんです。

「仕事も忙しいし、走る時間を確保するだけで精一杯…」
という市民ランナーほど、走る量より“眠る質”を整えた方が記録が伸びることがよくあります。

このコラムでは、難しい専門用語はできるだけかみくだいて、

  • ランナーにとって睡眠が何をしてくれているのか
  • 何時間くらいを目安にすればいいのか
  • 少しでもパフォーマンスを上げるための“攻めの睡眠テク”

をわかりやすく整理していきます💡


睡眠中、ランナーの体の中では何が起きているのか?

「寝ている=何もしていない」ではありません。
睡眠はざっくりいうと、次の2つのモードを行き来しています👇

  • 深い眠り(徐波睡眠/SWS)
  • 夢を見やすい眠り(REM睡眠)

それぞれ、ランナーの回復にとって役割が違います。


🧱 深い眠り:筋肉と骨の“修理タイム”

寝入りばな〜前半に多い「ぐっすり深い睡眠」では、

  • 成長ホルモンがドバッと出る
  • 筋肉の修復・タンパク質合成が進む
  • 脳から筋肉へ血流がシフトして、疲労物質の除去が進む
  • 骨の代謝も活発になり、疲労骨折のリスク低下に関わる

つまり、**ポイント練習やロング走で傷んだ体を“工事する時間”**がここです。

深い眠りが足りないと…

  • いつまでも脚が重い
  • 疲労骨折のリスクが上がる
  • 筋肉が「壊れる量 > 回復する量」になりやすい

という、ランナー的にはかなり危険な状態になります。


🧠 REM睡眠:フォーム・集中力・メンタルの“アップデートタイム”

夜明け前に増えてくる「夢を見ていることが多い睡眠(REM)」では、

  • 日中に練習した動きを脳が整理して“クセづけ”
  • 新しく取り入れたドリル・フォーム改善の定着
  • レースの緊張や仕事のストレスを整理

といった“脳側の回復”が行われます。

フォーム改造中なのに寝不足が続いていると、

練習中はうまくできているのに、
レースになると元の走りに戻っちゃう…

という現象が起きやすくなります。
「頭にインストールする時間(REM)」が足りていないからです。


ランナーは結局、何時間寝ればいいの?

いちばん気になるところですよね😴

🕰 一般の大人:7〜9時間

健康な成人に推奨されるのは7〜9時間と言われています。

🏃‍♂️ ランナー(特に走り込んでいる人)は?

結論から言うと、

最低8時間、できれば8〜9時間を目標

がひとつの目安になります。

そして、
走行距離が増えるほど“追加睡眠”が必要と考えてください。


🧮 ざっくりの目安ルール(感覚的なガイド)

海外のコーチがよく使う“目安”に、こんなものがあります👇

「1週間の走行距離(マイル)の数字ぶん、1日あたりの睡眠に“分”で足す」ルール

ざっくり日本向けにイメージだけ言い換えると…

  • 週30kmくらい走る市民ランナー
    → 8時間 + 15〜20分 くらい
  • 週50〜60km走るサブ4〜サブ3.5レベル
    → 8時間30分〜9時間を目標
  • それ以上走り込むガチ勢
    → 9時間前後が“普通”レベル

科学的に厳密な公式ではありませんが、

走る量が増えたら、寝る量も比例して増やすべき

という考え方自体は、完全に科学的に筋が通っています。


寝不足は「心肺」よりも「メンタル」と「脚」に効いてくる

「ちょっと寝不足だけど、VO2maxが下がるわけじゃないでしょ?」

実はその通りで、1〜2晩寝不足になったくらいでは
最大心拍数やVO2max(心肺の器そのもの)はほとんど落ちません。

それでもタイムが落ちる理由はシンプルで、

  • 同じペースなのに、いつもより“きつく”感じる(主観的きつさ=RPEの上昇)
  • 集中力が続かず、ペースを維持するのが精神的にしんどい
  • 着地やバランスが雑になり、ケガリスクが上がる

からです。

🔻 寝不足で起きること

  • 「まだ心肺は余裕なのに、気持ちが折れてペースダウン」
  • トレイルや夜ランでつまずき・捻挫が増える
  • 足が重く、ピッチが維持できない
  • 炭水化物をとっても、うまくエネルギーに変わらない

走力はあるのに“もったいない失速”をしている市民ランナーの裏には、
**トレーニングではなく「睡眠の問題」**が隠れていることが本当に多いです。


レース前こそ「スリープ・バンキング(寝だめ戦略)」を使おう

レース前夜に緊張して眠れない――
ランナーあるあるですね😅

でも安心してください。実は、

レース前夜よりも「レース1週間前〜2日前」までの睡眠の方が大事

という研究結果がたくさんあります。

💰 スリープ・バンキングとは?

簡単に言うと、

「レース1週間前から、意識的に“いつもより長く”寝ておく作戦」

です。

✅ 実践イメージ

  • レースの5〜7日前からスタート
  • いつもより 30〜60分早く寝る
  • どうしても早く寝られない人は、
    → 20〜30分の昼寝(パワーナップ)を足して“貯金”にする

こうして**“睡眠貯金”を作っておけば**、
レース前夜に多少眠れなくても、パフォーマンスへの悪影響はかなり抑えられます。

「今週はちゃんと寝だめしたから、多少寝つきが悪くても大丈夫」

と思えるだけでも、当日のメンタルがかなりラクになりますよ😌


忙しい市民ランナーの味方:「パワーナップ」のすすめ

「8〜9時間なんて無理です」
という社会人ランナーにこそ、使ってほしいのが短い仮眠=パワーナップ

⏱ おすすめは20分前後

  • 20〜30分
    → 頭がスッキリ、集中力回復
    → 深い睡眠に落ちにくく、起きた後にだるくなりにくい

🕒 ベストタイミング

  • お昼〜15時くらいの、“自然に眠くなりやすい時間帯”
  • 夕方(17時以降)は夜の睡眠を邪魔するので避ける

☕「コーヒー+昼寝」の裏技(ナプチーノ)

  1. コーヒーを一杯飲む
  2. すぐに20分だけ目を閉じる
  3. ちょうど起きる頃にカフェインが効き始め、シャキッと目覚める

午後の仕事+夕方のポイント練、という日にはかなり使えるテクです。


今日からできる「ランナーのための睡眠チェックリスト」

最後に、「理想論」ではなく現実的にやりやすいことだけまとめます👇

🌙 夜のルーティン

  • 同じ時間にベッドに入る習慣を作る
  • 寝る1〜2時間前からスマホ・PCを少し減らす
  • 可能なら寝室は少し涼しめ(17〜22℃くらい)
  • お酒は“ご褒美デー”だけにして、ポイント練の日は控える

🌞 日中〜トレーニング前後

  • 朝、外の光を浴びる(体内時計リセット)
  • 昼〜15時くらいに20分のパワーナップを検討
  • 練習後は“シャワーしてスマホ”の前に、まず軽いストレッチ

📊 体からのサインも観察する

  • 日中に眠気が強い・イライラしやすい
  • 練習のたびに脚が重く、回復している感じがしない
  • 風邪をひきやすくなった

こういう時は、練習を増やす前に睡眠時間を増やすのが正解です。


まとめ:睡眠は「サボり」ではなく、最強のトレーニング

  • 睡眠は、筋肉・骨・脳・メンタルを修復する“見えないトレーニング”
  • ランナーは最低8時間、走り込むなら8〜9時間が目安
  • 寝不足は心肺より先に「メンタル」と「脚」に効いてタイムを落とす
  • レース前1週間は“スリープ・バンキング”で貯金を作る
  • 忙しい市民ランナーには20分のパワーナップが強い味方

月間走行距離を記録するように、
「今月どれくらいちゃんと眠れたか」も意識してみてください。

きっと、思った以上に走りが変わるはずです🏃‍♂️💨


🏆 中長距離専門クラブ STERLING SQUAD のご紹介

STERLING SQUAD(スターリングスクワッド)は、
青学で箱根駅伝を走り区間賞&優勝を経験した森田歩希と、
オリンピック選手も担当していたフィジカルトレーナー吉澤和宏 が指導する
本格派の中長距離専門クラブです。

  • 小学生〜高校生・市民ランナーまで幅広く対応
  • 長距離のトレーニングだけでなく、
    フォーム・フィジカル・睡眠やリカバリーの考え方までトータルでサポート
  • 練習拠点は
    • 長野県:長野市
    • 東京都:23区・多摩エリア
    • 埼玉県:各所で練習会実施
  • オンライン指導で全国から参加可能
  • スマホ動画でフォーム分析&個別メニュー作成もOK

「ただ走るだけ」から一歩進んで、
“科学的に強くなるランナー”になりたい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

▶ クラブの詳細はこちら
https://sterling-squad.com/