大阪マラソンでサブ3|乳酸閾値を上げるインターバル18週逆算表
インターバルの翌日に脚が重く、週の後半のジョグもロング走も崩れてしまう。サブ3を目指すランナーから、いちばん多く受ける相談です。原因の多くは練習量の不足ではありません。ペースと頻度の設定が「やりすぎ」になっていることです。
この記事では、青学OB(青山学院大学出身)で箱根駅伝2区区間賞の森田歩希が、例年2月下旬に開催される大阪マラソンから逆算して、乳酸閾値を上げるインターバルのペース・本数・18週間の進め方を解説します。結論から言うと、インターバルは週1.5回までにしてください。ペースはマラソンペース(4:15/km)より速く、それでいて最後の1本まで崩れない速さに設定します。
この記事でわかること
- サブ3に必要な5つのペースの目安(2:59:00からの逆算)
- 翌日に疲れを残さない、インターバル設定の3つのチェック
- 大阪マラソンまでの18週の逆算表と、1週間の組み方
- 失敗しやすい3つのパターンと、その直し方
乳酸閾値(LT)とは:血中の乳酸が急に溜まり始める境目の走速度のことです。サブ3を狙うランナーなら、目安はハーフマラソンのレースペース付近(4:00〜4:05/km)です。乳酸閾値が上がるほど、マラソンペースの4:15/kmを楽に感じられるようになります。
サブ3に必要な5つのペース早見表
サブ3のゴールタイムを2:59:00とすると、平均ペースは約4:14.5/kmです。ここから逆算した練習ごとの目安は次のとおりです。
| 練習 | ペース目安 | 狙い |
|---|---|---|
| インターバル | 3:50〜3:58/km | レースペースより速い動きに体を慣らす |
| LT走(閾値走) | 4:00〜4:05/km | 乳酸閾値そのものを引き上げる |
| マラソンペース | 4:14〜4:15/km | レース本番で刻むペース |
| ペース走 | 4:30〜4:35/km | レース中盤のリズムをつかむ(レースペースより15〜20秒遅く) |
| ロング走 | 4:45〜4:55/km | 30km以降も脚が残る土台を作る(レースペースより30〜40秒遅く) |
ペース走は追い込む練習ではありません。ロング走もレースペースより30〜40秒遅くて十分です。速く走る日を絞るからこそ、インターバルの日に質を出せます。森田が青学で学んだのも、この「強弱の組み立て」でした。
翌日に疲れを残さない設定か?3つのチェック
インターバルで大切なのは、全部の本数を同じ動きで走り切る「形になる練習」にすることです。終わったあと、次の3点を確認してください。
- 最後の1本のタイムが、1本目と3秒以内の差に収まっている。後半に大きく落ちるなら、設定が速すぎます。
- つなぎを歩かずにジョグでこなせている。つなぎの休息が長くなるのも、速すぎるサインです。
- 翌日のジョグがいつもどおりの感覚で走れる。脚が重くて走れないなら、本数かペースを1段階下げてください。
反対に、余裕がありすぎてマラソンペース(4:15/km)付近で走っている場合は、ペースが遅すぎます。それではインターバルの意味が薄れてしまいます。
大阪マラソンまでの18週逆算表(3つの期)
10月下旬から始めると、本番まではおよそ18週あります。この期間を3つに分け、期ごとに練習の役割を変えます。
| 時期 | インターバル・LT | ロング走 |
|---|---|---|
| 鍛錬期 18〜11週前(10月下旬〜12月中旬) |
1000m×5(3:55)+つなぎ200mジョグ LT走6〜8km(4:05) 坂ダッシュ150m×15本 |
25〜30km(4:55) |
| 強化期 10〜5週前(12月下旬〜1月) |
1000m×8(3:52)または2000m×4(3:58) LT走10km(4:02) 1月にハーフで確認(目標1:25台) |
30km(4:45)+2.195kmをマラソンペースで |
| 調整期 4〜1週前(2月) |
1000m×5(3:52)で本数を減らす 追い込みは本番の2週間〜10日前に終える |
20〜25kmに短くする |
強化期の「30km+2.195km」は、30km以降の失速を防ぐための練習です。疲れた状態でもマラソンペースに戻せるかを確かめます。調整期は、1週間前に不安になって追い込まないことが最大のポイントです。1週間で人は強くなれません。6日前に少し速めのジョグで動きを確かめ、あとは淡々と距離を落とします。
週1.5回インターバルの組み方|2週間で1セット
ポイント練習を週3回とした場合の理想の割合は、インターバル1.5回・ペース走0.5回・ロング走1回です。「0.5回」は、2週間を1セットとして木曜の中身を入れ替えることで実現します。
| 曜日 | A週 | B週 |
|---|---|---|
| 月 | 完全休養(または水泳・バイクなど脚に衝撃のかからない運動) | |
| 火 | インターバル(メインのポイント練習) | |
| 水 | 回復ジョグ60分(疲労を抜くことが目的) | |
| 木 | 短めのインターバル(例:1000m×4) | ペース走12〜16km(4:30〜4:35) |
| 金・土 | ジョグ(土曜は流しを数本入れてリズムを整える) | |
| 日 | ロング走 | |
ジョグも、ただ走るだけにしないでください。「今日は火曜の疲れを抜くため」「今日は日曜に向けて動きを整えるため」というように、毎回目的を決めて走ることが、サブ3を目指すランナーに共通する成長の近道です。
サブ3を逃す人に多い3つの失敗と直し方
- インターバルの回数が多すぎる:週2〜3回入れると、ロング走の質が落ちます。週1.5回に戻して、ロング走を守ってください。
- ペースを「速ければ速いほど良い」と考えている:1本目から3:40/kmで入ると、後半に崩れてつなぎの休息も長くなります。表の範囲に収めてください。
- 練習以外の時間をおろそかにしている:森田が実業団で学んだのは「長距離は練習以外の時間が大切」ということです。睡眠を最優先にし、練習後は早めに糖質とタンパク質をとってください。
疲れが1か月以上抜けない場合は、オーバーワークや貧血のサインかもしれません。五輪帯同トレーナーの吉澤和宏も、そうしたときは練習量を落とし、必要に応じて血液検査で体の状態を確認するよう勧めています。
よくある質問
Q. インターバルとLT走は、どちらを優先すべきですか?
A. 鍛錬期はLT走を、強化期はインターバルを優先してください。乳酸閾値という土台を先に上げておくと、強化期の1000m×8を最後まで崩さずに走り切れます。
Q. 今のハーフのタイムが1時間30分なのですが、サブ3は狙えますか?
A. 現時点では、表のペースより1kmあたり10秒ほど遅く設定して始めてください。1月のハーフで1時間25分台が出れば、サブ3は十分に狙えるラインです。届かなかった場合は、目標を2時間台後半の自己ベストに切り替えるのも立派な戦略です。
Q. 平日に時間がなく、ポイント練習が週2回しかできません。
A. 火曜のインターバルと日曜のロング走の2本を残し、木曜のメニューは削ってください。限られた時間でも、正しい方向に努力すれば結果はついてきます。
まとめ|崩れないペースが、サブ3への最短ルート
- インターバルは3:50〜3:58/km、LT走は4:00〜4:05/kmを目安にする
- 「最後の1本」と「翌日のジョグ」で、設定が合っているかを判断する
- 週1.5回を2週間1セットで組み、ロング走の質を守る
- 追い込みは本番の2週間〜10日前に終え、1週間前は淡々と調整する
練習量はある程度必要ですが、その努力が報われるかどうかは方向性で決まります。2月の大阪マラソンのゴールで、2時間台の数字を見てください。

