サブ3.5のペース走とロング走の組み方3原則|箱根2区区間賞コーチが解説

「毎週日曜に30km走っているのに、サブ3.5まであと3分が縮まらない」。そんな悩みを持つ市民ランナーはとても多いです。この記事を読めば、サブ3.5に必要なペース走とロング走のペース・距離・組み合わせ方が、2週間分の練習例つきでわかります。

結論から言うと、押さえるのは①ペース走は「レースペース+15〜20秒」②ロング走は「+30〜40秒」で30km以上 ③日曜は2種類を交互に入れ、平日と強弱をつけるの3つだけです。青学OB・箱根駅伝2区区間賞ランナーで、Sterling Squadで市民ランナーを直接指導している森田歩希コーチの考え方をもとに解説します。

この記事の要点(30秒で読める)

  • ペース走:1kmあたり5分13秒〜5分18秒。追い込まず、レースの「中間走」のリズムを体に入れる
  • ロング走:1kmあたり5分28秒〜5分38秒で30〜40km。脚づくりと補給の練習に使う
  • 組み方:日曜はロング走とペース走を週ごとに交互に入れる。平日はジョグを中心にして、日曜の質を上げる

なぜ日曜に頑張ってもサブ3.5に届かないのか?よくある3つの原因

  • 毎回「なんとなくの距離走」になっている:ペースも目的も決めていないため、刺激が中途半端になる
  • ペース走を追い込みすぎている:リズムを掴むための練習を、レース並みの強度で走ってしまう
  • ロング走だけで安心している:長く走るだけでは、レースペースで押し切る力は身につかない

3つに共通する問題は、「頑張る量」は足りているのに「練習の組み立て」が足りていないことです。

ハードにやればやるほど強くなる、というのは誤解です。休まないといけないわけでも、ハードにやらないといけないわけでもない。しっかりと強弱を持って練習することが重要です。
— 森田 歩希コーチ(青学OB・箱根駅伝2区区間賞/Sterling Squad)

原則1:ペース走は「レースペース+15〜20秒」でリズムを掴む

ペース走(テンポ走)とは、一定のペースで走り続け、レースの「中間走」を体に覚えさせる練習です。サブ3.5のレースペースは1kmあたり約4分58秒なので、ペース走は5分13秒〜5分18秒が目安です。

  • 距離:10〜16kmから始める
  • 感覚:「もう少し速く走れる」余裕を残して終える
  • NG:後半にペースを上げてタイムトライアルにしてしまうこと

ペース走は追い込むための練習ではなく、力まずに同じリズムで刻む力を身につけるための練習です。ここで余裕を残せると、レース本番の前半で突っ込みすぎることも減ります。

原則2:ロング走は「レースペース+30〜40秒」で30km以上走る

ロング走とは、レースペースよりゆっくりしたペースで長い距離を走り、最後まで動く脚と補給の感覚をつくる練習です。フルマラソンに向けては30〜40kmが目安で、サブ3.5なら5分28秒〜5分38秒で十分です。

  • 序盤〜鍛錬期:ペースを守って30kmを走り切ることを優先する
  • 仕上げの時期:30km走ったあと、残り2.195kmをレースペースで走り、30km以降の失速に備える
  • 補給:本番で使うジェルや給水のタイミングを、ここで試しておく

ただし、ロング走だけをやっていてもレースペースで走れるようにはなりません。ペース走やインターバル走と組み合わせて、はじめてレースペースで押し切る力になります。

目標タイム別|ペース走・ロング走のペース早見表

目標 レースペース ペース走
(+15〜20秒)
ロング走
(+30〜40秒)
サブ4 約5分41秒/km 5分56秒〜6分01秒 6分11秒〜6分21秒
サブ3.5 約4分58秒/km 5分13秒〜5分18秒 5分28秒〜5分38秒
サブ3 約4分16秒/km 4分31秒〜4分36秒 4分46秒〜4分56秒

※レースペースは目標タイム÷42.195kmで算出(秒以下は四捨五入)。暑い日や起伏の多いコースでは、5〜10秒遅くして構いません。

原則3:日曜は2種類を交互に入れ、平日と強弱をつける

森田コーチが勧めるポイント練習の割合(週3回の場合)は、インターバル1.5回・ペース走0.5回・距離走1回です。ペース走は「2週に1回」で十分なので、日曜はロング走の週とペース走の週を交互に入れると無理なく回せます。

2週間の練習例(サブ3.5・週6日走る場合)

曜日 1週目(ロング走の週) 2週目(ペース走の週)
月 完全休養 完全休養
火 ジョグ(疲労を抜く) ジョグ(疲労を抜く)
水 インターバル(1000m×5本など) インターバル
木 ジョグ ジョグ
金 ジョグ+流し インターバル(短め)
土 ジョグ(短め) ジョグ90分(距離を補う)
日 ロング走 30km(5分28〜38秒) ペース走 12〜16km(5分13〜18秒)

大事なのは、日曜の前後をジョグにして「強い日」と「弱い日」をはっきり分けることです。ジョグもただの消化ではなく、「疲労を抜くため」「リズムを整えるため」と目的を決めて走りましょう。森田コーチは、サブ4・サブ3.5・サブ3のどのレベルの人にも「JOGを毎回目的を明確にしてやる」ことを共通のアドバイスにしています。

サブ3.5を目指す人のよくある質問(FAQ)

Q1. ペース走とロング走は、どちらを優先すべきですか?

フルマラソンが目標なら、ロング走が週1回の土台です。ペース走は2週に1回で十分です。日曜にロング走を入れられない週だけ、ペース走に置き換える形でも構いません。

Q2. ロング走で設定ペースより速く走れてしまいます。上げてもいいですか?

基本は上げないでください。ロング走の目的は脚づくりと補給の練習で、速く走ると回復が遅れ、平日のインターバルの質が落ちます。上げるのは、仕上げの時期にラスト2.195kmだけです。

Q3. 30km走れる体力がまだありません。

20kmから始め、2〜3週ごとに3〜5kmずつ伸ばしましょう。距離を伸ばす週はペースをさらに5〜10秒遅くしても問題ありません。

Q4. ネットにあるトップ選手のメニューを真似してもいいですか?

おすすめしません。体のつくり・今の実力・生活リズムによって合うメニューは変わります。メニューをそのまま真似るより、自分の状態を見てくれる指導者と努力の方向を決めるほうが、記録への近道です。

まとめ:日曜の「中身」を変えれば、サブ3.5は近づく

  • ペース走は5分13〜18秒で、追い込まずにリズムを掴む
  • ロング走は5分28〜38秒で30km以上。仕上げはラストをレースペースで
  • 日曜は2種類を交互に入れ、平日のジョグで強弱をつける

走る量を増やす前に、まずは今週の日曜を「何のための練習か」決めてから走ってみてください。それだけで、同じ30kmでも得られるものが変わります。あと数分の壁は、練習の組み立てで越えられます。

Sterling Squadで専門的に相談する

一人だとペース走が速くなりすぎる、ロング走が続かない――そんな方は、埼玉・彩湖でサブ3.5〜2.5を目指す練習コミュニティ「ME-3」で一緒に走ってみませんか。青学OB・箱根駅伝2区区間賞の森田コーチが、ペース設定から練習の組み立てまで直接アドバイスします。

この記事の監修

森田 歩希(Sterling Squad ランニングコーチ)
青山学院大学出身。箱根駅伝2区区間賞・3区区間新記録(当時)、総合優勝2回、4年時主将。現在は長野・東京・埼玉のランニングクラブ Sterling Squad で市民ランナーやジュニア選手を直接指導。フィジカル面は五輪帯同トレーナーの吉澤和宏が監修しています。